春の桜に、夏の祇園祭、秋の紅葉、冬の静寂と四季折々の魅力がある京都観光。そんな旅をより楽しむために大切なのが、各シーズンやシチュエーションに合わせた服装です。
散策や、桜や紅葉のライトアップなど、外で過ごす時間が長いからこそ、それに合った服装かどうかで、旅の快適さや満足度が大きく変わってきます。また、神社仏閣が多い京都だからこそ、参拝の際に持っていると便利なアイテムも。
そこで今回は、観光シーズンごとの気温やおすすめの服装と、京都観光において一年を通してあると便利な持ち物をご紹介します。
夏の「油照り」に、冬の「底冷え」。日中の寒暖差が激しいことも
まずは、京都市の気候からチェックしていきましょう。代表的なのが、夏の「油照り」、冬の「底冷え」と表現される、夏の暑さと冬の寒さです。これに加えて、朝晩と日中の気温差も大きい時期もあります。これは、三方を山に囲まれた「内陸性盆地気候」によるもの。盆地地形により風が遮られ、空気の動きが少ないことが原因です。また、夏に雨が多く、冬には少ないという「瀬戸内式気候」の特徴もあります。
6~9月にかけては最高気温が30度を超え、12月から3月までは最低気温が0度を下回ります。春や秋は、日中の気温差が10度を超えることも。そんな京都を観光する際に大切になってくるのは、「温度調整がしやすい服装」です。重ね着はもちろん、使い勝手の良い薄手のアウターやストールがあると、寒いときに着て、暑くなったらコンパクトにしまえるので重宝します。6~8月にかけては、雨が多くなるため、折りたたみ傘や雨具なども、持っていると突然の悪天候にも対応がしやすいですよ。
通年では、「動きやすく、参拝しやすい」アイテムが便利!
一年を通してあると便利なアイテムをご紹介します。ここでポイントとなってくるのは、「動きやすさ」と「参拝のしやすさ」です。歩く機会が多い京都観光では、履きなれたスニーカーや、動きやすい服装、参拝時に必要な現金などを用意して、快適に観光を楽しみましょう。
<通年で必要なアイテム>
- 履きなれたスニーカー
- ICカード(バス移動の際などにあると便利。移動が多い場合は、地下鉄・バスの一日乗車券もあります)
- リュックサック(歩きやすく、撮影をするときなどに両手を使えます)
- 小さいポシェット・サコッシュ(荷物を預け、貴重品入れとして持ち歩くのに便利)
- 現金(お寺の拝観料やお賽銭、授与品は現金のみ)
- タオル(汗をかいたときや、手水で手を清めたとき。さらに京都のまちなかには銭湯も残っているので、タオルをバックに忍ばせておくと汗をかいたときや温まりたいときに便利です。手ぶらセットを準備している銭湯もあるので、ぜひチェックしてみてください!)
- 靴下(参拝時に靴を脱ぐ際は、裸足では失礼にあたり、また皮脂汚れがつくため、靴下を履きましょう。夏はサンダルで街歩きしても、寺院の拝観の際は、靴下を履くのがマナーです。冬は床が冷たいので、厚手の靴下があると快適に過ごせますよ)
- 帽子(夏用。日傘もよいですが、両手が使える帽子がおすすめ)
- 折り畳み傘
- マイバック(ちょっとしたお土産入れや、参拝時の靴袋として)
- ゴミ袋(街なかにゴミ箱が少ないため)
- モバイルバッテリー(バッテリー切れに備えて。また、京都駅ポルタの「よりみちスクエア」では充電ができるコーナーもあります)
- 襟付きシャツや革靴など(上品なレストランに行くなら)
※滞在中に「重い荷物を持ち歩きたくない!」「滞在時間をフルに使いたい」という方におすすめなのが「手ぶら観光」。京都駅や空港から荷物を直接宿に送り届けることができて便利ですよ。
観光シーズンごと、おすすめの服装と持ち物
①お花見(3月下旬~4月上旬)
3月下旬から4月上旬頃まで楽しめる京都の桜。この時期の平均気温は、10度と比較的過ごしやすくなりますが、気をつけなくてはいけないのが、朝晩と日中の寒暖差です。日中に比べて、朝晩は特に冷え込みやすいので、温度調節がしやすい服装を心掛けましょう。花粉症がある方は、上記にあわせて、ティッシュやマスクもお忘れなく!
- アウター(コンパクトに折り畳めるダウンジャケットなど、持ち運びしやすいもの)
- セーターやカーディガン、ジャケットなど重ね着がしやすいもの
- 歩きやすいパンツ
- ストール(夜桜鑑賞など、夜に出歩くときは冷え込むため、防寒対策として)
②初夏・初秋(①、③~⑤以外)
5~6月、9~10月は、20度前後と過ごしやすい気温になります。青もみじや苔などを見に出かけてみるのもいいですね。この時期気をつける点としては、季節の変わり目で雨の日が多くなることです。また、虫も増えてくるので、雨対策や防虫対策をするようにしましょう。
- 雨具(折り畳み傘など)
- 防水加工の靴
- 虫除けスプレー
③夏(祇園祭・夏休み)
7月からは最高気温が35度を超えることもある京都の夏。この時期に大切なのは、熱中症対策です。帽子を被る、水分や塩分の補給をするといったことはもちろん、こまめに休息を取るようにしましょう。また、室内では冷房がよく効いている場所もあるので、羽織ものなどがあると安心ですよ。
- 風通しの良い服装
- 帽子や日傘(祇園祭宵山や有料観覧席では帽子を着用しましょう)
- スポーツドリンク等の水分
- 塩分補給ができる飴やタブレット
- サングラス
- 汗ふきシート、ハンカチ
- 団扇や扇子(山鉾巡行を見学するときなどにあると便利)
- 日焼け止め
- 羽織もの(カーディガン、ストールなど)
- 虫除けスプレー
- 予備の着替え(汗をかきすぎた時用)
④紅葉狩り(11月~12月上旬)
紅葉が色づき始める11月から12月の上旬にかけては、日中は10度程と観光のしやすい気温ですが、朝と晩の冷え込みに注意が必要。外にいることも多くなるため、防寒対策が大切です。
- 薄手のコート(動きやすく軽いものがおすすめ)
- 手袋
- ストール
⑤冬(12月中旬~3月中旬:底冷え)
「底冷え」と呼ばれるほど、寒さの厳しい京都の冬。実際の温度よりも、寒く感じるなんてこともよく聞きます。雪のなか輝く金閣寺や、各所で執り行われる節分行事など、見どころたくさんの冬の京都ではありますが、しっかりと防寒対策をした上で観光を楽しむようにしましょう。防寒は、厚手のコートを着用することにあわせて、「首元」「手首」「足首」といった、「三首」と呼ばれる部位を温めると効果的ですよ。
- 厚手のアウター(ロングコートやダウンジャケットなど、風を通しにくく、体温を逃さないものがおすすめ)
- ヒートインナー
- タイツ(ジーンズでは足音から温かい空気が逃げてしまうため)
- 厚手のロングタイプの靴下
- マフラー
- 手袋
- レッグウォーマー
- 使い捨てカイロ
四季や一日を通して、刻々と表情を変え、いつ行っても新しい出会いや発見がある京都の街。快適な服装で、素敵な旅をお楽しみください。
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記事を書いた人:立岡美佐子
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東京から京都に引っ越してきた、編集者。
普段は『TRANSIT』や『FRaU』など雑誌やメディアづくりに関わったり、企業や個人のWEBサイトを制作していますが、それは表の顔。裏では人を軸に京都を深ぼるイベント「ひみつの京都案内」を運営しています。東京の大学在学中も京都が好きで、同志社大学に国内留学していました(専攻は歴史学)。趣味は、合気道と食べ歩き。
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