ドラマ・アニメで再注目!平家物語ゆかりの京都の史跡

大河ドラマやアニメにも取り上げられて人気の平家物語、その京都における史跡をご案内します。

平家物語とは

平家物語とは、平安時代末期から鎌倉時代前期にかけて、平家一門が栄華をきわめてから滅亡するまでを描いた軍記物語です。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。」の冒頭から始まることで有名ですね。本来は琵琶という楽器の演奏とともに語られ、中世の庶民にも広く親しまれました。

2022年に放送されたアニメ「平家物語」や、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で取り上げられ、いま再び注目されています。平家・源氏それぞれの目線から歴史を眺めることで、登場人物の魅力や運命がより浮かび上がってくるのではないでしょうか?

京都には平家物語ゆかりのたくさんの史跡があり、そこでは彼ら・彼女らの人生の残り香を感じとることができるのです。

 

沙羅双樹(サラソウジュ)

平家物語の人間関係

清盛を取り巻く人間模様

平安時代末期、ライバル関係にあった源氏をおしのけて武家のトップに立ったのが平清盛です。貴族による政治支配が当たり前だった中で、時の権力者の後白河法皇と協調し政界に参入、太政大臣にまで昇りつめました。ところが法皇は平家を滅ぼすための計画を練り、追い落としを図ります。クーデターを起こした清盛は法皇を幽閉し、日本の最高権力者となります。「平家にあらずんば人にあらず」の言葉が象徴しているように、平家一門は最高の栄華を手にしました。

しかし朝廷や武家・社寺から強い反発が起こり、源頼朝など源氏の挙兵につながります。1185年に平家は「壇ノ浦の戦い」で滅亡しました。

 

平家物語に出てくる主な人物

・平清盛(たいらのきよもり)

平家を栄華に導いた人物。武士の子でありながら太政大臣(朝廷の最高職)まで昇りつめ、政権を掌握しました。

 

・建礼門院・平徳子(けんれいもんいん・たいらのとくこ)

清盛の娘で、高倉天皇に入内し安徳天皇を産みます。晩年は寂光院で平家一門の菩提を弔いました。

 

・後白河法皇(ごしらかわほうおう)

平安時代末期の天皇で高倉天皇の父。退位後は30年あまり院政を行い、平家と源氏の争いの中を巧みに立ち回りました。
 

平家物語ゆかりの史跡

六波羅蜜寺周辺

六波羅蜜寺の周辺は、「六波羅殿」といわれる平家一門の邸宅が数千の規模で立ち並んでいました。この辺りにはいまでも平家に関係する町名が残っています。「池殿町(いけどのちょう)」は清盛の継母、池禅尼が居住していた池殿があったところで、徳子(建礼門院)が安徳天皇を出産した場所といわれています。「門脇町(かどわきちょう)」は清盛の弟である平教盛(たいらののりもり)の邸宅である門脇殿があった場所。「三盛町(みつもりちょう)」はもともと「泉殿町」という名前であり清盛の邸宅、泉殿がありました。

八坂神社周辺

八坂神社周辺には、清盛の父である忠盛の武勇伝が残る「忠盛灯篭」、清盛の母ともいわれる祇園女御の「祇園女御供養塔」、徳子(建礼門院)が出家したお寺である「長楽寺」などがあります。長楽寺の春の特別展では壇之浦で入水した安徳天皇が亡くなられる直前まで着られていた直衣を「幡(ばん)」という仏具にしたものなど、ゆかりの宝物を見学できます。相阿弥作の庭園もみどころです。

長楽寺

相阿弥作庭園

三十三間堂周辺

後白河法皇が院御所としていた法住寺殿跡に、「法住寺(ほうじゅうじ)」が建っており、隣には後白河法皇のお墓「法住寺陵」もあります。通し矢や千体千手観音で有名な「三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)」は、平清盛の私財によって、後白河法皇が法住寺殿の内部に創建したのが始まりです。

法住寺

大 原

郊外まで足を延ばすと、大原にもゆかりの地があります。壇之浦で入水するも源氏方に助けられてしまった徳子(建礼門院)は「寂光院(じゃっこういん)」で一門や息子である安徳天皇の菩提を弔いながら終生をこの地で過ごしました。義理の父であり敵ともなった後白河法皇がお忍びで大原まで訪ねてくる「大原御幸(おおはらごこう)」は平家物語の名シーンのひとつです。法皇は侘しい住まいに暮らす徳子を哀れに想い、涙を流しました。後白河上皇はこの時の情景を「池水に 汀(みぎわ)の桜散りしきて 波の花こそさかりなりけり」という歌に残しており、本堂前の庭園にある「汀の池」とそのそばの桜は往時の風景を今にとどめています。

また、有名な「大原女(おはらめ・おおはらめ)」の姿は建礼門院の侍女、阿波内侍(あわのないじ)が来ていた衣装がもとになっているといわれています。

 

寂光院

大原女の顔出しパネル

他にも平家物語ゆかりのスポットを数多くご紹介しています。

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記事を書いた人:Kyoto Love.Kyoto

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