【祇園祭】宵山を満喫しよう!快適に過ごすためのポイントとおすすめの楽しみ方6選 ~宵山ガイド2023年~

日本三大祭りの一つに数えられる「祇園祭」。絢爛豪華な山鉾巡行や、活気あふれるお神輿と合わせて人気が高いのが、幻想的な「宵山(よいやま)」です。

今回は「宵山って聞いたことあるけど、どんなものなの?」「おすすめの楽しみ方を知りたい!」という方に向けて、とっておきの楽しみ方6選と、快適に過ごすためのポイントをお伝えします。

本祭の前夜祭!宵山の楽しみ方6選

宵山とは、毎年7月17日と24日に行われる本祭(山鉾巡行や神輿渡御)の3日前・前々日・前日の総称です。簡単に言えば、前夜祭といったところでしょうか。

祇園祭には、八坂神社の神様が神輿で四条の御旅所を訪れる前祭(さきまつり)と、八坂神社にお戻りになる後祭(あとまつり)があるので、宵山は計6日ということになりますね。

宵山というと、ズラリと並んだ露店での買い物を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は宵山だからこその魅力や楽しみ方がたくさんあるんです!ここからは、おすすめの楽しみ方6つをご紹介します。

その:美しい祇園囃子を楽しむ

宵山の夕方にかかると、各山鉾町からは美しい音色が聞こえてきます。提灯の灯りの中、山鉾を見ながら聴く祇園囃子(ぎおんばやし)はとても幻想的です。

ちなみに、「コンチキチン」という祇園囃子の音色は、鉦、横笛、太鼓によるもので、各山鉾の囃子方が昔から受け継ぎ、稽古を重ねてきたもの。

本祭・巡行の際は、約40人が山や鉾に乗り込み、祇園囃子を奏でます。選曲は、前半はゆっくりしたものが多く、後半は速いテンポのものが多いのだとか。各山鉾の祇園囃子を聴き比べてみるのも楽しそうですね。

その②:近くで、豪華な懸装品や御神体を拝める「会所飾り」

鷹山のご神体

各山鉾町には、町会所(ちょうかいしょ)または、会所(かいしょ)と呼ばれる、お囃子の練習や様々な相談をする際に使われる場所があります。

宵山になると、会所では「会所飾り(かいしょかざり)」と呼ばれる、 山鉾の懸装品(けそうひん)や御神体の展示が行われます。西陣織やインド、ペルシャで織られた、前懸(まえかけ)・胴懸(どうかけ)、細部まで見事な金細工の飾りなど、重要文化財クラスの品がズラリと揃うのは、圧巻の一言。本祭の巡行中では、しっかり見ることが難しい品々をじっくり鑑賞しましょう!

また、会所では各山鉾の御神体を拝むこともできます(※山鉾によります)。御神体とその由来を知ることは、山鉾を知ることといっても、過言ではありません。会所に寄った際は、御神体を拝み、ご利益にあずかりましょう。

その③:粽(ちまき)と授与品を購入

町会所では、会所飾りや御神体の見学以外にも、「粽(ちまき)」をはじめとする、様々な授与品を購入することもできます。

祇園祭の粽は、食べ物ではなく、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守りのこと。京都では、買った粽を一年間、厄除けとして玄関先に飾る風習があります。山鉾ごとにご利益やデザインが異なり、可愛い絵馬がついたものや、金運向上の小判がついたものなど個性豊かなので、ぜひお気に入りを探してみてください!

粽の他にも、お守りや手ぬぐい、ストラップなど様々な授与品が売られているので、友人やご家族のお土産に購入するのも楽しそうですね。

※近年は、授与品のネット販売も実施されています。詳しくは、各山鉾の公式HPをご確認ください。

リンク集 | 公益財団法人祇園祭山鉾連合会

その④:祇園祭限定!御朱印帳と御朱印巡り

御朱印
画像提供:四条傘鉾保存会

各山鉾では、宵山の期間中、御朱印の授与を行っているのをご存知ですか?専用の御朱印帳も売られているので、これを機に、御朱印巡りを楽しんでみるのもいいですね。 

また、八坂神社でも祇園祭が行われる7月限定で、祇園祭の起源とされる御霊会(ごりょうえ)朱印がもらえるので、そちらもぜひチェックしてみましょう!

その⑤:屏風祭を楽しむ

長江家の屏風祭

屏風祭(びょうぶまつり)も、昔から受け継がれてきた、宵山の楽しみの一つです。

各山鉾町の旧家や老舗商店では、宵山の時期に、表格子を外し、秘蔵の屏風や美術品などを飾り、通りからも見事な芸術品を鑑賞することができます。京都の町家の情緒を楽しみましょう。

屏風祭 一例)

長江家住宅「屏風祭」
開催日程:2023年7月14日(金)~16日(日)10:00~19:00(14日のみ~20:00)
見学料:お一人様1,000円※ポストカード付き
アクセス:地下鉄「四条」六番出口より徒歩5分程度(船鉾町)

参考HP 長江家住宅「屏風祭」|【京都市公式】京都観光Navi

その⑥:山鉾の特別儀式を鑑賞

棒振り踊り
画像提供:四条傘鉾保存会

山鉾のなかには、宵山のタイミングで独自の儀式を行うものがあります。

例えば

・棒振り踊り…四条傘鉾(前祭)、綾傘鉾(前祭)という二つの傘鉾で行われる、災厄を払い清める、囃子と踊りを中心とした風流踊。

・あばれ観音…23日の23時頃から行われる、南観音山(後祭)の儀式。ワッショイという掛け声とともに、台座に載せた観音様を激しく揺さぶり町内を往復する儀式。

宵山の楽しみ方について紹介してきましたが、早い山鉾では本祭の1週間くらい前から、山鉾建てが始まるところもあります。匠の技みによって見事に組み立てられていく山鉾を鑑賞するのも乙ですね。

町内によっては宵山の前日から御朱印授与や、会所公開をしています。特に昼間は、人出も落ち着いているので、ゆっくりと過ごせますよ。

詳しくは山鉾連合会の公式HPをご確認ください。
※山鉾建てや会所売店、御朱印授与の日程や時間帯などは、山鉾によって異なります。

令和5年 祇園祭行事スケジュール (山鉾建て日、搭乗など) | 公益財団法人祇園祭山鉾連合会

宵山を快適に楽しむためのポイントをピックアップ!

大勢の人で賑わう宵山。「お目当ての山鉾がどこにあるのかわからない」「人が多すぎて疲れた…」といったトラブルを回避するためのポイントについても、しっかり押さえておきましょう!

基本情報のチェックは欠かさない

宵山の日程は、下記となりますが、露店がでるタイミングは限られています。露店巡りを楽しみたい方も、露店が出ていないタイミングでゆっくり宵山を楽しみたい方もしっかり日程を確認しましょう。

<宵山>

  • 前祭…7/14、7/15、7/16
  • 後祭…7/21、7/22、7/23

※露店が出るのは、7/15、7/16のみ。後祭には、露店は出ません。

「宵山ガイド」と「デジタル版ガイド」が便利!

町のいたるところに、多数の山鉾が建つ宵山。自分が今、どこにいるのか、お目当ての山鉾はどこにあるのか、わからなくなってしまうこともしばしばです。

そんなときに是非活用いただきたいのが、鉾の位置を確認できる「宵山ガイド」や「デジタル版ガイド」。

「宵山ガイド」

「手元の地図を見ながら宵山をまわりたい」という方におすすめなのが、「宵山ガイド」です。こちらは、混雑エリアや歩行者一方通行エリア、ゴミ箱の位置などがひと目で分かるので、安心して宵山を楽しむことができます。事前に手元に用意してルートを考えておき、行きたい山鉾にマークを付けておくのも便利そうですね。

宵山ガイド

「宵山ガイド」のダウンロードはこちら

※各山鉾町や鉄道駅(市営地下鉄全駅、京阪・祇園四条駅、阪急・京都河原町駅、阪急・烏丸駅)などでも配布・配架されます。

「デジタル版ガイド」

「デジタル版ガイド」では、スマホの位置情報を利用して地図上に各山鉾や自分の現在位置が表示されるので、道に迷うことがなく、快適に行きたい場所にたどり着くことができます。

「デジタル版ガイド」は「宵山ガイド」のQRコードからもアクセス可能です。

前祭

後祭

 

混雑を避ける工夫をしよう

宵山へのアクセスや、回り方次第で混雑によるストレスを軽減することもできます。

宵山に行くにしても車や自転車は避けて、公共交通機関を使うのがおすすめです。

電車で向かう場合は、最も混雑が予想される四条烏丸周辺の駅(地下鉄・四条駅や阪急・烏丸駅)を避けて、阪急・大宮駅、鴨川を挟んだ京阪・祇園四条駅や、地下鉄・烏丸御池駅、地下鉄・五条駅を使うのがおすすめですよ。

特に京都駅方面への帰りは混雑しますので、地下鉄・四条駅ではなく北にある地下鉄・烏丸御池駅から乗車しましょう。もしくは京阪・祇園四条駅から京阪・七条駅まで乗車し、ステーションループバスで京都駅まで帰ってもいいですね(ステーションループバスは最終運行時間にご注意ください)。

宵山巡りに疲れたら、混雑エリア(主に四条通り、烏丸通り)から、ちょっと脇道にはいって、休憩するのもよいでしょう。無理せずマイペースに宵山を楽しみましょう。

暑さ対策もしっかり!

「夏の油照り」という言葉もあるように、暑さの厳しい京都の夏。7月になると、最高気温が35度を超えることもあり、熱中症対策は必須と言えます。

風通しの良い服装や、歩きやすい靴、水分や塩分補給を忘れずに休息を取りながら、祇園祭や宵山を楽しみましょう。扇子や団扇などもあると心強いですよ!

最後に

祇園祭の行事が行われるエリアにも、住民の日常の暮らしがあります。祭を楽しむのはもちろんですが、地域を思いやる行動を心がけたいですね。京都市では、「京都観光モラル」という観光客・事業者・市民がお互いを尊重しながら持続可能な京都のために大切にしていきたいことをまとめた行動基準をつくっています。

▽京都観光モラル 観光客の皆様と大切にしていきたいこと
行動基準(観光客向け) | 京都観光行動基準(京都観光モラル) | 公益社団法人京都市観光協会

たくさんの魅力がつまった宵山。快適に過ごすためのポイントをおさえながら、久しぶりの本格的な祭り、京都の夏を満喫しましょう!

 

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記事を書いた人:立岡美佐子

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東京から京都に引っ越してきた、編集者。
普段は『TRANSIT』や『FRaU』など雑誌やメディアづくりに関わったり、企業や個人のWEBサイトを制作していますが、それは表の顔。裏では人を軸に京都を深ぼるイベント「ひみつの京都案内」を運営しています。東京の大学在学中も京都が好きで、同志社大学に国内留学していました(専攻は歴史学)。趣味は、合気道と食べ歩き。
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