【京都を楽しむ自転車旅】ミニサイクルでのんびり、 水とお酒のまち 伏見めぐり編

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伏見はもともと「伏水」と書かれていたほど、水とのかかわりが深いエリア。

水辺の風景、川の流れ、良質で豊かな伏流水とそこから生まれた酒造りの文化、そしてかつて栄えた水運の名残などに、あちらこちらで出会うことができます。そんな伏見のまちを、今回は「水とお酒」をテーマにゆっくりのんびり、自転車でめぐりました。

 

紹介スポットMAP  所要時間:約5~6時間

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※自転車を駐輪の際は、寺社・施設・店舗等が案内する場所に停めていただくか、付近の有料駐輪場(https://kyoto-bicycle.com/parking)をご利用ください。

近隣の方の迷惑になる場所には決して駐輪しないようにお願いします。

 

撮影時期の関係上、当記事ではヘルメットを着用しておりませんが、2023年4月から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されました。レンタサイクル利用時はヘルメットの着用をお願いいたします。詳しくは以下のサイトをご覧ください。

自転車ヘルメット | 京都市サイクルサイト

 

まずは「伏見港公園」で自転車レンタル

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スタート地点は中書島です。このあたりは宇治川と濠川(ほりかわ)、宇治川派流に囲まれていて、かつて巨椋池(おぐらいけ)に浮かぶ島だった頃の名残をとどめています。

今回は、京阪「中書島駅」から徒歩3分と好アクセスの「伏見港公園」にあるレンタサイクルを利用。ピンクがかわいいミニサイクル(ミニベロ)を選びました。6段変速ギア付きなので、おしゃれなだけじゃなく走りもラクラク。自転車に空きがあれば当日受付も可能ですが、台数に限りがあるそうなので事前予約がベターです。

(2024年1月現在、利用いただけるレンタサイクルは1台のみ。利用ご希望の際は予め電話<075-611-7081>でお問い合わせください。)

この「伏見港公園」という名前ですが、海のない京都に“港”とは少し不思議です。ここはその昔、豊臣秀吉の伏見城築城に合わせて整備され、京都と大阪をつなぐ水運の拠点として栄え、1950年代頃まで港として使用されていた港の跡地。川の港だったんですね。納得です。

 

現在、伏見港公園等を中心とした伏見エリアを「みなとオアシス(※)」に登録し、全国唯一の内陸河川港湾として、その魅力を発信し地域の活性化につなげる取組が展開されています。今後、ますますの賑わいが期待されます。
 ※「みなと」を核としたまちづくりを推進する国土交通省の登録制度

 

ではさっそく、水とお酒の伏見めぐりに出発します!

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伏見港公園 管理事務所
住所:京都市伏見区葭島金井戸町
電話番号:075-611-7081
営業時間:9:00~21:00(レンタサイクルは9:00~20:00)
定休日:年末年始
料金:通常利用1,000円
ホームページ:http://www.kyoto-park.or.jp/fushimi/

(2024年1月現在、利用いただけるレンタサイクルは1台のみ。利用ご希望の際は予め電話でお問い合わせください。)

 

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日本最初の新婚旅行はここから、「伏見みなと公園」

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(伏見港公園~伏見みなと公園の移動:約500m/約3分)

伏見港公園から竹田街道を北へ進み、宇治川派流にかかる京橋で一旦停車。橋の手前、右側の川辺に「伏見みなと公園」があります。ここは、かつての伏見港の中心地で、高瀬船や三十石船の発着場でした。周辺には坂本龍馬の定宿だった寺田屋をはじめ、幕末の歴史ロマンを感じる場所があちこちにあります。

スロープを自転車で下りてみると、そこは緑いっぱいの空間で、地元の人たちの憩いの場になっています。


ふと見ると、流れに向かって佇む「龍馬とお龍、愛の旅路」像が。そばに設置された説明板を見ると、坂本龍馬のケガを癒すため、2人はここ寺田屋浜から三十石船に乗って九州の霧島へ旅立ったと記されています。日本最初の新婚旅行として知られる2人の旅は、まさにこの場所から出発したんですね!

現在でも、3月から12月には十石舟が運航(11月には三十石船も)されており、酒蔵等の水辺の景色を楽しむことができます。

https://kyoto-fushimi.or.jp/ship/

 

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住所:京都市伏見区表町

あの映画のロケ地に会いに行く

(伏見みなと公園~伏見であい橋の移動:すぐ)


川沿いの遊歩道を少し行ったところに、ちょっと変わった形の橋が見えてきました。今回ぜひとも訪ねてみたかった、「伏見であい橋」です。

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ここは、2017年に大ヒットした映画「君の膵臓を食べたい」のロケ地として有名で、映画のポスターデザインにも登場する話題のスポット。もとは伏見城の外堀だった濠川から宇治川派流に分かれる分岐点に、Y字の形をした橋が架かります。「であい橋」の名前は、3方向から歩いてきた人がこの中心点で出会うことから付けられたのだとか。

 

どの方向を眺めても絵になる景色は解放感たっぷりです。桜や青葉、紅葉と、どの季節に訪れてもそれぞれに美しい風景を見せてくれそうですが、やっぱり桜並木が満開になる春に、「キミスイ」のポスターを真似た写真を撮りに来ようと思いました。

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住所:京都市伏見区北浜町903-1

「月桂冠大倉記念館」で伏見のお酒を学ぶ

(伏見みなと公園~月桂冠大倉記念館の移動:約450m/約2~3分)

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伏見といえば、日本有数の酒どころ。濠川や宇治川派流沿いにたくさんの酒蔵が建ち並ぶ風景は、そのままで酒造りの歴史そのもの。伏見ならではの風情ある景観です。

 

伏見は、全国でも屈指の名水が湧き出る地と言われています。地下の奥深くにたっぷりとたたえられているその水は、酒造りにぴったりの水質。おいしいお酒には、良い水が欠かせないと言います。伏見が酒どころとして全国に名を馳せているのも納得ですね。

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白壁土蔵の酒蔵が連なる界隈に自転車を走らせ、伏見の酒造りの文化と歴史を広く伝えるためのミュージアム・「月桂冠大倉記念館」を訪ねました。月桂冠は、1637年の創業以来380年以上もの長きにわたり、ずっと伏見で酒造りの歴史を重ねる老舗です。

記念館は見学順路の刷新や耐震補強などの工事を終えて、2020年12月にリニューアルオープンしました。酒造りの歴史や工程などについて、ストーリーを追いながら見学できるようになっています。

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1909年に建てられた酒蔵を活用した建物は、一歩入ると、黒光りする梁や高い天井など当時の酒蔵の風情がたっぷり。受付をすませたら、まずはホールで「おいしいお酒ができるまで」の映像を鑑賞。これを観ておくと、あとの展示内容などがとてもよくわかります。


続いて展示室で、貴重な資料や昔の酒造りの道具などを見学。井戸に湧き出る水(試飲できます)、昔は発酵用の酒樽をズラリと並べて天日干ししていたという広い中庭など、酒造りの歴史の一端に触れられます。

 

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「きき酒処」では季節ごとのお酒を試飲できますが、今日は自転車なので、次回の楽しみに取っておきます。試飲しない場合は1合のお酒をお土産にいただけますよ。限定酒もそろう売店があるので、お土産品はこちらでゲットして。

 

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月桂冠大倉記念館
住所:京都市伏見区南浜町247
電話番号:075-623-2056
営業時間:9:30~16:30(受付は16:00まで)
休館日:お盆、年末年始
入館料:20歳以上600円、13歳~19歳100円、12歳以下無料
ホームページ:https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/
駐輪場:専用駐輪場あり

たっぷり野菜のランチを食べに「イタリア食堂Necco」へ

(月桂冠大倉記念館~イタリア食堂Neccoの移動:約350m/約1~2分)

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本日のランチは龍馬通り商店街の近く、古い酒蔵も近くに佇む住宅街の中にある、「イタリア食堂Necco」にお邪魔しました。

 

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真っ白な外壁に大きな窓がひとつと白木の扉。シンプルで明るい外観そのままに、店内も明るいカフェという雰囲気。オープンして丸5年というこちらのお店の特長は、なんといってもとれとれ&みずみずしい旬の野菜をたっぷりいただけること。そのヒミツは、店主自らが畑で育て、収穫する、自家栽培野菜にありました。


毎朝、自宅近くにある畑で野菜を収穫し、ランチやディナー用に仕込むのだそう。各シーズン、ハーブや京野菜も含めて30種以上の野菜を育てていると話してくださいました。

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いただいたのは本日のランチ。前菜の盛り合わせに日替わりのスープとパスタ、それに自家製パンとデザート&飲み物です。パスタもスープもその時季ごとの旬の野菜を使ってメニューづくりをするのだとか。そして圧巻は、前菜の盛り合わせ。9~10種類もの前菜が盛られたひと皿は、まさに感動ものです。

 

「安心して召し上がっていただけるよう、自信をもって提供しています」。そんな心のこもったおいしいランチをいただけるなんて、この上ない幸せです。ごちそうさまでした。

 

イタリア食堂Necco
住所:京都市伏見区塩屋町221-1
電話番号:075-623-4139
営業時間:ランチ11:30~14:30(LO13:30)※火・水・木のみ
ディナー17:30~22:00(LO21:30)
定休日:日曜
ホームページ:https://www.facebook.com/Necco.kyoto/
駐輪場:お店の前(敷地内)

 

伏見の水とお酒の守り神「御香宮神社」

(イタリア食堂Necco~御香宮神社の移動:約800m/約5分)

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お腹いっぱいになったところで、ゆるゆると自転車を走らせます。目指すは「御香宮(ごこうのみや)神社」。1kmに満たない距離、しかも平坦な道のりなので、ゆっくりのんびり寄り道しながら向かいました。

 

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「御香宮神社」は、伏見全町の氏神さまなのだとか。創建年代は不明という古い古い神社です。表門は大手筋通りに面していますが、今日は自転車なので表門を通り過ぎて国道24号を左折。50mほど進んだところにある東門から入ります。鳥居をくぐってすぐ左手の、石垣のあたりに自転車を停めます。

 

「御香宮神社」の名前の由来は、境内に湧き出す名水「御香水(ごこうすい)」。平安時代の862年、香りのよい水が湧き出し、この水を飲んだ人の病が癒えたのだとか。これにより、時の清和天皇から「御香宮」の名を賜ったと伝えられています。「御香水」は伏見の七名水のひとつに数えられ、日本名水百選にも選ばれています。

 

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豪壮華麗な細部の装飾や極彩色で飾られた本殿、伏見城の大手門を移築した表門は、どちらも桃山文化の名残をとどめている建物で、国の重要文化財に指定されています。ちょっと関心を誘われたのは拝殿。こちらも極彩色なのだけれど、神社でよく見かける朱色ではなく青色というところに心惹かれてしまいました。「水」にゆかりの深い神社だからなのかな、と想像してしまいます。

 

そして伏見の氏神さまらしく、大きな酒樽が据えられていたり、伏見の名だたる銘酒が奉納されていたり・・・。水とお酒の伏見めぐりのしめくくりは、絶対ココですよね。

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御香宮神社
住所:京都市伏見区御香宮門前町174
電話番号:075- 611-0559
参拝時間:境内自由(社務所受付9:00~16:00)
参拝料:無料(石庭見学は200円)
ホームページ:https://gokounomiya.kyoto.jp/
駐輪場:第一駐車場手前の空きスペースに駐輪

おだやかな時間を愉しむ「cafe木蓮MOKUREN」

(御香宮神社~cafe木蓮MOKURENの移動:約1.3km/約8分)

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築100年は経つという昭和レトロな古民家カフェで、ほっとひと息。
「伏見みなと公園」近くのカフェは、路地の奥。昔の人のあたたかな暮らしがそのまま残ったような居心地のよい空間で、帰路につく前にひと休みしました。

 

古い梁や木製のサッシが残っていたり座敷があったり、なんだか懐かしい雰囲気のなかでいただく抹茶パフェは絶品。ゆるやかに流れる時間が、楽しかった1日をおだやかにしめくくってくれます。

 

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木蓮の花は、その蕾が必ず北を向くのだとか。道に迷ったときに方角を教えてくれるので、「コンパスフラワー」とも呼ばれるそう。「心が疲れて迷ったときに道しるべのようになれれば」。そんな想いを店名に込めた「cafe木蓮MOKUREN」。おいしいスイーツメニューをいただいたら、疲れた身体も「さ、あとひと息」と前を向けそうです。

 

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今日のコースはどこも、ほぼ半径1kmに集まっています。こんなに近い距離なのに、川風を感じたり、酒蔵のある街並みを走ったり、古い歴史に触れたりと、水とお酒の伏見めぐりは盛りだくさんです。自転車で回るとひとつひとつをじっくり堪能できて、楽しみはギュッと凝縮。充実感いっぱい、大満足です!!

 

ここから「伏見港公園」はすぐそこ。
伏見には、今日訪ねられなかった名所や見所がまだまだたくさんあります。また別のテーマを設定して、次も自転車でのんびりと、伏見めぐりを楽しんでみてはいかがですか?

 

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cafe 木蓮MOKUREN
住所:京都市伏見区表町582-6
電話番号:075-205-5051
営業時間:11:00~17:00
定休日:木曜、日曜
ホームページ:http://iroha2.jp/mokuren/
駐輪場:お店の横(駐車場の端・敷地内)

記事を書いた人:ENJOY KYOTO

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ENJOY KYOTOは京都の歴史や文化、伝統産業からコンテンポラリーな情報や人気のお店まで、京都を「知る」「歩く」「体験する」を同時に叶えるフリーぺーパー。京都人になりきって街歩きが楽しめるよう、とくに京都に住む人の感覚を重視した編集をしております。

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