京都「洛陽十二支妙見めぐり」参拝のススメ ~北極星、北斗七星に願いをこめて~

 

鳴滝の妙見宮、三寳寺の境内には妙見大菩薩の赤いのぼりが並ぶ

神仏とのご縁を求めて、お寺や神社をめぐる「巡礼」。京都には干支をテーマにした「洛陽十二支妙見(みょうけん)めぐり」という巡礼があります。

昔の日本では十二支を使って方角を表していました。北から時計周りに、「子(ね)」は北、「卯(う)」は東、「午(うま)」は南という具合です。

京都御所の紫宸殿を中心に、十二支の方角の寺院に、北極星または北斗七星を神格化した「妙見菩薩」がまつられています。妙見菩薩は、人々への災厄を宝剣で切り払う、開運厄除けの菩薩さまとして信仰されてきました。この12カ寺を回る巡礼が「洛陽十二支妙見めぐり」です。

この記事では洛陽十二支妙見めぐりのお参りの仕方、歴史、妙見菩薩をまつる12カ寺について説明します。

洛陽十二支妙見めぐりの地図

洛陽十二支妙見めぐりの参拝の心得

洛陽十二支妙見めぐりのオリジナルの御朱印帳は、御朱印の隣のページに各寺院の縁起が書かれています

オリジナルの御朱印帳の表紙(写真左)には十二支、裏表紙(写真右)には北極星と北斗七星が

洛陽十二支妙見めぐりは江戸時代から庶民に親しまれてきた巡礼です。明治維新後はすたれてしまいましたが、その後、1986(昭和61)年に「洛陽十二支妙見会」が発足して復活しました。自分の干支から回っても、今年の干支から回っても、近くのお寺から回っても構いません。参拝の順序は自由です。

お参りの後に御朱印をいただくのは、ほかの巡礼と同じです。洛陽十二支妙見めぐりのオリジナルの御朱印帳(2000円、朱印料1ヵ所500円)は12カ寺、どこでも手に入り、表表紙には十二支、裏表紙には北斗七星があしらわれています。御朱印の隣のページに各寺院の縁起があり、ひと目でわかるのがありがたいところ。

今ではすっかりポピュラーになった御朱印帳ですが、かつては色紙に御朱印をいただいていたそうです。御朱印帳は仏さまや菩薩さま、守護神さまとつながる大切なものなので、自分の名前と連絡先を書いておくと、預けて書いていただく時も安心です。

事務局・三寳寺住職に妙見めぐりの歴史を聞きました

三寳寺の石段を上った所にある妙見堂(左)
妙見堂にかかる扁額には江戸時代の札所が記されている(右)

洛陽十二支妙見めぐりが明治時代になるとすたれてしまったのには、廃仏毀釈の影響があるようです。1986年の復活にあたって尽力されたのは、「鳴滝の妙見宮(三寳寺)」の鈴木英正前住職でした。三寳寺は「北西」の方角にあたり、境内には「子宝犬」の石像があります。石段を上ったところに妙見堂があり、内部に飾られていた扁額に江戸時代の12カ寺の名前があったことが復活のきっかけになりました。

現在洛陽十二支妙見めぐりの事務局を務める三寳寺の鈴木英文住職に、復活の経緯などを聞きました。

Q:江戸時代からの歴史がある洛陽十二支妙見めぐり。当時の12カ寺は現在の12カ寺と同じですか。

A:当時の12カ寺は現在とは違いました。現在は霊鑑寺(臨済宗南禅寺派)以外はすべて日蓮宗のお寺ですが、江戸時代は12カ寺のうち半分近くは禅宗、浄土宗といった他宗派でした。妙見菩薩は宗派を超えて広く信仰されていたのです。三寳寺の妙見堂にあった扁額に、江戸時代の洛陽十二支妙見巡拝の寺院名が彫られていて、それを見た前住職の強い願いで洛陽十二支妙見めぐりは復活しました。

Q:どうやって復活されたのですか。

A:江戸時代の12カ寺のうち、当時はっきり残っていたのは6カ寺(霊鑑寺、法華寺、慈雲寺、常寂光寺、三寶寺、圓成寺)でした。そこで方角を考えながら6カ寺を新たに選び、12カ寺を再編したのです。お参りにいらっしゃる方が増えるよう、御朱印色紙や干支にちなんだお守りもつくりました。日蓮聖人の代表的な著作に『立正安国論』がありますが、前住職や洛陽十二支妙見めぐりを復活させたみなさんの心には、平和への願いがあったのだと思います。

Q:どんな方がお参りにいらっしゃいますか。

A:いろいろな方がおられます。巡礼の白装束の方もおられますし、スマホを手に気軽な感じでいらっしゃる方も。みなさん、自分の願いを成就したい、大きな存在に守ってほしいと思っていらっしゃるようです。妙見菩薩は天空で動かない星、北極星を神格化した菩薩さまです。本堂や妙見堂で仏さまや妙見さまと向かい合う時間を大切に、御朱印をいただいて帰ってほしいと思います。

12の妙見さんにお参りしてみよう

三寳寺には戌年にちなんで「子宝犬」の石像が

本教寺では「午」のお守りが授与されます

妙見菩薩がまつられている12カ寺は以下のとおりです。各寺院には干支にちなんだ焼き物が置かれています。混雑していない、観光寺院ではないお寺が多く、交通手段が便利な場所にあるのも嬉しいところ。自分に合ったペースで御朱印めぐりを楽しみましょう。

■子(北):善行院(西陣の妙見宮)
【どんなお寺】1466(文正元)年に創立。妙顕寺の東側にある。妙見堂に信楽焼の金色のネズミがある。
【住所】京都市上京区新町通上御霊西入妙顕寺前町514
【電話】075-451-4182      
【交通】市バス「天神公園前」、または地下鉄烏丸線「鞍馬口」下車

■丑(北北東):本山 本満寺(本満寺の妙見宮)
【どんなお寺】1410(応永17)年創立。もともと新町通今出川にあったが、1539(天文8)年、現在地に移った。春は桜が美しい。
【住所】京都市上京区寺町通今出川上ル2丁目鶴山町16
【電話】075-231-4784    
【交通】市バス「河原町今出川」、または地下鉄「今出川」下車

■寅(東北東):道入寺(修学院の妙見さん)
【どんなお寺】1646(正保3)年創立。妙見菩薩像は僧形の姿で珍しい。
【住所】京都市左京区修学院茶屋ノ前町2
【電話】075-781-4886    
【交通】市バス「修学院離宮道」、または叡山電車「修学院」下車

■卯(東):霊鑑寺(鹿ケ谷の妙見さん)
【どんなお寺】1654(承応3)年創立の門跡寺院。妙見堂は山門入口にある。卯歳の守護神として有名。
【住所】京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町12
【電話】075-771-4040 ※通常非公開なので電話でお問い合わせください
【交通】市バス「錦林車庫前」、または市バス「上宮ノ前町」下車

■辰(東南東):満願寺(岡崎の妙見さん)
【どんなお寺】940(天慶3)年、菅原道真の乳母、多治比文子が一宇を建立したのが始まり。妙見像は亀に乗り、右手に剣、左手に蛇を持つ。
【住所】京都市左京区岡崎法勝寺町130
【電話】075-771-4874     ※観光寺院ではないので電話でお問い合わせください    
【交通】市バス「岡崎公園 動物園前」、または市バス「岡崎道」下車

■巳(南南東):日體寺(清水の鎮宅妙見宮)
【どんなお寺】創建当初、浄土宗観音寺と称した。1721(享保6)年、日蓮宗寺院になった。財運の守り神とされる。
【住所】京都市東山区清水4丁目151
【電話】075-561-1248    
【交通】市バス「清水道」下車

午(南):本教寺(伏見大手筋の妙見さん)
【どんなお寺】1594(文禄3)年、教行院日受上人の開山による寺。徳川家康の息女督姫の帰依をうけ、姫が姫路城主・池田輝政に嫁ぐにあたって、屋敷跡(現在地)に寺を移した。池田公伝来の北辰妙見尊がまつられている。
【住所】京都市伏見区東大手町778
【電話】075-601-2237    
【交通】京阪電車「伏見桃山」、または近鉄電車「桃山御陵前」、または市バス「西大手筋」下車

■未(南南西):法華寺(未の方の妙見さん)
【どんなお寺】823(弘仁14)年、東寺が建立された時、の法華堂として創立。1963(昭和38)年、新幹線敷設のため現在地に移った。このため未、申の位置が逆になっている。
【住所】京都市下京区島原西新屋敷中之町108
【電話】075-361-0783    
【交通】JR嵯峨野線「丹波口」、または市バス「島原口」下車

■申(西南西):慈雲寺(島原の妙見さん)
【どんなお寺】1464(寛正5)年、大本山本圀寺第十世成就院日圓上人が台密両宗の中堂寺を改宗し、法喜山吉祥寺としたのがはじまり。病気や不運が「さる」ご利益で知られる。
【住所】京都市下京区下松屋町通五条下ル藪之内町627
【電話】075-341-7772 ※観光寺院ではないので電話でお問い合わせください    
【交通】市バス「大宮五条」下車

■酉(西):常寂光寺(小倉山の妙見宮)
【どんなお寺】慶長年間(1596~1614)、大本山本圀寺第一六世究竟院日禛上人により開創。1620(元和6)年建立の多宝塔は重要文化財。
【住所】京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
【電話】075-861-0435    
【交通】市バス「嵯峨小学校前」下車

■戌(西北西):三寳寺(鳴滝の妙見宮)
【どんなお寺】1628(寛永5)年に建立。境内に「御車返しの桜」がある。犬は安産であることから安産祈願で訪れる人も多い。妙見さまは願いが叶うことから、いにしえより「満願妙見大菩薩」と尊称される。
【住所】京都市右京区鳴滝松本町32
【電話】075-462-6540    
【交通】市バス・JRバス「三宝寺」、または市バス「福王子」下車

■亥(北北西):圓成寺(鷹峯の岩戸妙見宮)
【どんなお寺】1630(寛永7)年、日任上人が霊厳寺の跡地に再興した寺。妙見堂は石室造りで妙見大菩薩の石像がまつられている。
【住所】京都市北区鷹峯北鷹峯町24
【電話】075-491-1496    
【交通】市バス「鷹峯源光庵前」下車

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記事を書いた人:田中 京子

1967年京都市出身。東寺の近くで育つ。
同志社大学卒業後、全国紙記者を経て、2023年からフリーランスのライターに。
企業のオウンドメディア、書籍ライティングなど、幅広く書いています。家に猫2匹(ちいたん&ミミイちゃん)。

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