京都観光に欠かせない乗り物といえば、なんといっても「バス」。京都には、市街地を網羅する京都市バスをはじめ、たくさんのバスがあり、とても便利な反面、「種類が多くて使いこなすのが難しい…」という声もあります。
そこで今回は、京都総合観光案内所<京なび>のスタッフさんに教えてもらった、バスの乗りこなし術や活用法をご紹介します。コツを押さえてスムーズに京都観光できるよう、予習しておきましょう。
【1】バスにこだわらなくてOK! 京都観光を上手に楽しもう
京都のバスを活用するためには、自分のスケジュールや観光する季節に合わせて、交通手段を上手に組み合わせることが重要です。実は、できるだけ短時間で回りたい場合は、バスと電車を組み合わせるほうがスムーズに到着できる場合も多いのです。
「絶対バスに乗らなければ!」「バスを使いこなさなければ!」と思い込まず、ほかの交通手段や徒歩と上手に組み合わせて移動するのがベストです。いずれにしても、バスの利用なくして、スムーズな京都観光は実現できませんので、ますはバスについてこの記事でマスターしましょう!
【2】京都にはどんなバスがあるの?
京都のバスと聞くと、町中を走る「京都市バス」をイメージする人が多いと思いますが、実はそれだけではありません。京都のバスはほかにもあるのです。代表的な京都のバスをいくつかご紹介。
2-1 京都市バス
京都市街地を網羅する京都市バスは、京都観光の交通の基本。
2-2 京都バス
京都駅や四条河原町、三条京阪、出町柳駅、国際会館駅などから、嵐山、大原、鞍馬方面などへの路線を運行しています。京都市バスと同じ場所にあるバス停でも、バス停名が異なる場合もありますので、ご注意ください。
2-3 西日本JRバス
京都駅から龍安寺・仁和寺・高雄・栂ノ尾・周山方面への路線を運行しています。世界遺産・高山寺や神護寺のある高雄観光に出かける方には必須となるでしょう。お得で便利な「周山フリー乗車券」もあります。
2-4 京阪バス
京都市域では主に、伏見・山科エリアで運行しています。醍醐寺の観光には、京都駅(八条口)から「京都醍醐寺ライン」(運賃:大人280円、所要時間:約30分)を利用すると便利です。
ちなみに、これら4社のバスですが、均一区間の運賃は大人230円、小児120円で、均一区間以外では乗車区間によって運賃が異なります。また、代表的な交通系ICカード(PiTaPa・ICOCA・Suicaなど)の利用も可能。それぞれ後ろ乗り、前降りのワンマンカーで、運賃は降りるときに運賃箱に入れるシステムとなっています。
【3】京都のバスのお悩みを解決!
京都のバスを利用する人の多くが悩みとして挙げるのが、「系統の多さ」と「乗換場所の複雑さ」。地元の人でも間違えそうになることもあり、観光客の方はなおさらですよね。それぞれの悩みをどのように解決すればいいのでしょうか。京都総合観光案内所<京なび>に聞いた、よくあるお悩みをQ&Aでご紹介します。
3-1 系統が多すぎる?! まずは「バスなび」をチェック
Q. バスの系統が多くて分からない時はどうする?
A. まずは観光マップ「地下鉄・バスなび」を入手しよう!
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観光マップ「地下鉄・バスなび」は、京都駅であれば京都総合観光案内所やバスターミナルにある券売機、駅前の市バス・地下鉄案内所などで配布しています。
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京都市交通局のサイトからは、PDFをダウンロードすることが可能です。
https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000019770.html
Q. 「バスなび」ってどうやって見るの?
A. 路線図のルートの色をチェックしよう!
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京都の地下鉄は2本あります。市内を南北に走る烏丸線、東西に走る東西線の2本をチェックすれば、それ以外はすべてバスのルート。バスが市内の広範囲を網羅していることが分かります。
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路線図で自分が行きたいバス停を探し、そのバス停が通るルートの色をチェック。今自分がいる場所(バス停)と行きたい場所(バス停)をつなぐ同じ色のルートを探し、そのルート上に書かれた系統を調べます。最初から系統を見るよりも、色で確認するほうが分かりやすいでしょう。
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ルートのなかに矢印(→)が書かれている場合、そのルートはその矢印の方向にしかバスが走っていません。逆向きに走るバスはありませんので、気を付けてください。
Q. それでもやっぱり分からないときはどうする?
A. 京都総合観光案内所<京なび>へどうぞ!
- 京都総合観光案内所<京なび>では、「地下鉄・バスなび」が手に入るだけでなく、その見方も教えてくれます。
- 「ここに行きたい」「こことあそこを回るには?」など、京都観光のあらゆる質問にも対応してくれます。
3-2 バスの乗り換えで困ったときは
Q. 一つのバス停に乗り場がいくつもあるって本当?
A. 京都駅や大きな交差点のバス停には、たくさんの乗り場があります!
- バス停は、対向車線をはさんで各進行方向ごとにありますが、京都駅や、四条河原町・四条烏丸、その他大きな交差点などでは、各バス停に乗り場が複数あり、乗り換える時には注意が必要です。
- 特に京都駅では、A~Dまで乗り場があります。現地の掲示板や、「地下鉄・バスなび」等で乗りたいバスが停まる場所を確認しておきましょう。
Q. 目的のバス停はどう見分ければいいの?
A. バス停の案内表示をよく見ましょう
- 目的のバス停を探すときは、そのバス停の乗り場に書かれた目的地を見ます(例えば[四条河原町]から出ている市バス5系統は、京都駅方面に行くバスと、銀閣寺方面に行くバスがあり、それぞれバス停が異なります。写真の場合、ここに停車する5系統は、京都駅方面に向かうということになります)
- [四条河原町]や[四条烏丸]といった大きな交差点のバス停には、主な行先の乗り場がまとめて表示されていることもあるので、こちらをチェックするのもおすすめです。
Q 上手く乗り換えるコツは?
A. 小さいバス停を利用しましょう
- 複数の系統が停車するバス停は、乗り換えの選択肢が多いということ。「選択肢が多い=迷いやすい」ということでもあります。
- 自分が乗り換えたい系統が停車するのであれば、大きいバス停よりも、その一つ手前や一つ先など、小さいバス停で乗り換えるとシンプルで分かりやすいことも多いです。
3-3 そのほか注意したほうがいいこと
Q. 乗り間違いやすい系統ってある?
A. 200番台の循環系統は方向に要注意です!
- 市バス205系統や206系統などの200番台は一定のルートをぐるぐる回っている循環系統です。逆回りに乗ってしまうと目的地まで1時間以上バスに乗る羽目になることも。いつも以上に目的地をしっかり確認してから乗車するようにしましょう。
Q. バスの中で両替やチャージはできる?
A. どちらも可能ですが制限があります。
- 京都のバスはお釣りが出ません。
- 両替は1000円札しかできないので、1万円・5000円・2000円札しかない場合は、乗車前に両替しておくことが必要です。
- 現金で支払う場合は乗車する前か降りる少し前にあらかじめ両替しておくことがオススメです。
- 京都市バスであれば、交通系ICカードは1000円単位でチャージが可能です。
Q. 整理券車のバスの利用時には?
A. 整理券の入手またはICカードの2回タッチをお忘れなく!
- バス入口に整理券があるバスでは、乗車時に整理券を取るか、交通系ICカードを利用の場合は乗車時にもタッチが必要となりますので、忘れないようにしましょう。(均一区間車には整理券は設置されていません)
【4】バスの使いこなし術あれこれ
ルートの探し方や乗換場所の探し方など、バスの基本的な利用方法をお伝えしてきました。ここからは、もう少し具体的にバスの使いこなし術を紹介します。
4-1 京都駅からどこへ行く? 人気観光地へスムーズに移動
まずは具体的な移動ルートを紹介します。京都駅から代表的な観光地へアクセスする方法を見ていきましょう。
Q.金閣寺へのおすすめルートは?
A.地下鉄とバスを組み合わせよう!
- 京都駅から金閣寺は市バス1本でアクセスすることもできますが、地下鉄とバスを組み合わせると、所要時間が短くなります。
例)地下鉄+バス…[🚇京都駅]→地下鉄烏丸線で14分→[🚇北大路駅/🚏北大路バスターミナル]→市バス205系統で11分→[🚏金閣寺道]
例)バスのみ…[🚏京都駅前]→市バス205系統で43分→[🚏金閣寺道]
Q. 銀閣寺へのおすすめルートは?
A. 地下鉄&バスでの移動を選ぼう!
- 京都駅から銀閣寺も市バス1本でアクセスできますが、地下鉄とバスを組み合わせると所要時間が短くなります。
例)地下鉄+バス…[🚇京都駅]→地下鉄烏丸線で9分→[🚇今出川駅/🚏烏丸今出川]→市バス203系統で15分→[🚏銀閣寺道]
例)バスのみ…[🚏京都駅前]→市バス7系統で36分→[🚏銀閣寺道]
Q. 清水寺へのおすすめルートは?
A. 電車&バスでの移動を選ぼう!
- 道路渋滞が発生しやすい観光シーズンは、電車とバスを組み合わせたほうが、所要時間を短縮できます。
- 京都駅から清水寺は市バス1本でアクセスすることも可能です。
例)電車+バス
①[🚇京都駅]→JR琵琶湖線で5分→[🚇山科駅]→地下鉄東西線で8分→[🚇東山駅]→市バス202・206系統で8分→[🚏清水道]
②[🚇京都駅]→地下鉄烏丸線で1分→[🚇九条駅/🚏地下鉄九条駅前(大石橋)]→市バス58・202・207系統で13分→[🚏五条坂]
例)バスのみ…[🚏京都駅前]→市バス206系統などで15分→[🚏五条坂]
Q. 定番観光地(清水寺・銀閣寺・金閣寺)を回る王道ルートは?
A. 地下鉄とバスでの移動を選ぼう!地下鉄・バス1日券がお得!
- 金閣寺・銀閣寺・清水寺へのアクセスは、地下鉄・バス1日券を利用して地下鉄とバスで移動するのがスマート。
- 地下鉄・バス一日券は京都駅などで1,100円で購入できます。王道ルートを通常運賃で乗車するより少しだけお得です。
例)[🚇京都駅]→地下鉄烏丸線で13分→[🚇北大路駅/🚏北大路バスターミナル]→市バス205系統で11分→[🚏金閣寺道]【①金閣寺】→[🚏金閣寺道]→205系統で11分→[🚇北大路駅/🚏北大路バスターミナル]→地下鉄烏丸線で3分→[🚇今出川駅/🚏烏丸今出川]→市バス203系統で15分→[🚏銀閣寺道]【②銀閣寺】→[🚏銀閣寺道]→市バス5系統で14分→[🚏東山三条]→市バス202・206系統で8分→[🚏清水道]
4-2 無理に乗り換えなくても大丈夫! 電車&徒歩も組み合わせよう
バスはもちろん便利ですが、バスを待つ時間が長い場合は、歩いたほうが良いこともあるのだそう。バスに乗るか歩くか…、選ぶときのポイントを教えてもらいました。
Q. バスを待つより歩くほうが早い場合とは?
A. 1~2区間なら歩こう。人気観光地は意外と近い!
- 目的の停留所まで1~2区間しかない場合は、歩いたほうが早いことがほとんど。
- 渋滞しがちな [祇園⇔四条河原町]、[清水寺⇔祇園]、[四条烏丸⇔四条河原町]などの移動は、バスを利用するよりも、歩くほうが早い場合が多いでしょう。
- [平安神宮⇔祇園][金閣寺⇔龍安寺⇔仁和寺]なども、歩いてみると意外と近いので、待ち時間が長いときは歩いてみよう。
Q. ある程度の距離はやっぱりバスに乗るのが正解?
A. 歩いたほうが楽しいエリアもたくさんあるのが京都です。
- 祇園や四条河原町などは、歩いたほうが楽しいエリア。趣ある町並みを眺めたり、お店に立ち寄ったりしながら移動するのがおすすめ。
- [南禅寺⇔銀閣寺]の移動も、哲学の道をのんびり散歩して移動するのがおすすめ!
- 「複雑な乗り換えをしなくていい」と考えると、歩けるところは歩いて移動するのがおすすめです。徒歩移動を組み合わせて、京都の町並みを楽しみましょう。
4-3 便利な地下鉄・バス1日券も上手に活用
あちこち移動するときは、地下鉄・バス1日券の利用が便利です。
[地下鉄・バス1日券] 1100円
京都市バス全線、地下鉄全線、京都バス(※)、京阪バス(※)、西日本JRバス(※)に1日中何回でも乗り降り自由(※一部路線を除く)。
先ほど紹介したように、地下鉄とバスを組み合わせれば、移動時間を短縮することができます。また、1日券は毎回小銭を用意する必要がないので、交通系ICカードを持っていない方には特におすすめ。1日券は市バス・地下鉄案内所、定期券発売所、市バス車内(2023年10月1日以降)などで発売しています。
ただし、この1日券が利用できる期間は当日のみ。最初に利用した時間から24時間ではなく、その日の最終バス・最終電車までということになりますので、気を付けてくださいね。
4-4 大きな荷物は、配送や預かりサービスの利用を
バス車内にキャリーバックなど大きな荷物を持ち込むとバス内の混雑につながります。京都観光をストレスフリーで楽しむ為にも、ぜひ「手ぶら観光」をしてみましょう。
京都駅と市内宿泊施設間の配送サービスや手荷物の一時預かりを利用してみてください。地下鉄・バス1日券の掲示で割引になる預かり所もあります。
京都駅構内でも、配送や手荷物預かりを実施しています。
詳しくはこちらをご確認ください。
▽ 京都市公式 手ぶら観光のススメ
Kyoto City Official|HANDS FREE KYOTO
京都総合観光案内所<京なび>
京都市と京都府が共同で設置する総合観光案内所。京都市を含む、府内全域の観光案内や当日の宿泊案内、催しチケットの販売など、幅広い観光情報の提供を行う。今回ご紹介したバス情報についての詳しいお問合せはこちらへ。
住所:京都市下京区烏丸通塩小路下る
アクセス:京都駅ビル2階、南北自由通路沿い
電話:075-343-0548
時間:8:30~19:00
京都観光に欠かせないバス。使いこなすポイントを押さえることも大切ですが、それ以上に、定時性に優れた電車を使ったり、町並みがすてきだったら歩いたり、バスにとらわれずにいろいろな方法を組み合わせることがポイントだと分かりました。
そして、それらを上手に組み合わせるためにも、基本的なバスの利用のコツを押さえておくことが大切ですね。
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この記事を書いた人:るるぶ編集部
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全国各地の「見る」「食べる」「遊ぶ」を徹底的にガイドした旅行情報誌『るるぶ』の編集部です。神社仏閣やグルメ、おみやげ、話題のニュースポットなど、京都のお出かけにかかせない情報を幅広く網羅。旅行者はもちろん、地元の方にも役立つ情報を日々チェック!