紅葉だけでなく”黄葉”にも注目!京都・穴場スポット7選

京都の秋といえば紅葉、つまり紅い葉をイメージしますが、実は赤色だけでなく黄色のおすすめスポットも多数あります!しかも黄色は見るものに元気を与えてくれるビタミンカラーですね。今回はそんな黄色い葉、黄葉(こうよう)の名所の中でも、比較的ゆったり散策できる穴場をご紹介いたします。なお、色づき具合や見ごろの時期は年や地域、樹木によって違うので公式ホームページやSNSなどでご確認ください。

西本願寺・御影堂を火災から守った大銀杏(おおいちょう)

お西さんと親しみを込めて呼ばれている西本願寺(本願寺)は浄土真宗本願寺派の本山で、世界文化遺産にも登録されている名刹。京都駅から約1kmのところにあり、徒歩であれば約15分、市バスであれば京都駅から3つ目の「西本願寺前」下車すぐですので、まずは立ち寄りたい古寺です。紅葉時期は気候がよく、バスも混雑するためのんびり歩いていくのがおすすめです!

創建は鎌倉時代。親鸞聖人の廟堂がルーツで、天正19年(1591)に豊臣秀吉の寄進により現在地へ移転し、今に至ります。広々とした境内には多くの国宝や重要文化財の建造物があり、中でも、親鸞聖人のご真影(ごしんねい)が安置されている御影堂(国宝)は、東西48m、南北62m、高さ29mというスケールの大きさ。同じく国宝指定の阿弥陀堂と並んだ姿は壮観です。

写真提供:西本願寺

そんな御影堂の前に堂々たる枝振りを見せるのが樹齢400年と伝わる天然記念物の大銀杏です。銀杏というと空へ向かってすらっと伸びた姿を想像される方も多いと思いますが、この銀杏は太い幹から横へ横へと広がるように枝を這わせているのが特徴。その姿が根っこのようであることから「逆さ銀杏」とも呼ばれています。

この銀杏にはもう一つ、神秘的なエピソードが残ります。それは今から約240年前、御所や二条城などの要所を含む市街の8割以上が焼き尽くされた「天明の大火」でのこと。東方からきた火の手が御影堂にも襲い掛かろうとしたとき、この銀杏から水が噴き出て御影堂は難を逃れたというのです。そうした逸話が由来となって「水吹き銀杏」とも呼ばれます。今も大切に守り育てられている大銀杏ですが、そんな異名に因んでか、近年銀杏を手水舎や噴水の水面に映して撮影する人が増えているようです。水に映る大銀杏はみずみずしい美しさとともにどこか誇らしげ。ぜひ試してみてください。

西本願寺
住所:京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町
TEL.
075-371-5181
アクセス:市バス「西本願寺前」停下車すぐ。
料金:境内自由

定番だけど穴場! 金色の堀川通の銀杏並木

堀川通(ほりかわどおり)は京都市内を南北に結ぶ幹線道路。南行き、北行きともに3車線ずつあり、市内屈指の大通りとも言えるでしょう。そんな堀川通の中で、今出川通から紫明通までのおよそ900m、徒歩ならば片道約11分の距離に、地元・京都人にもお馴染みの銀杏並木があります。

まさに黄色の壁!

この銀杏並木で注目すべきは道の中央。中央分離帯が一部公園として開放されているのです。

ゆるやかなカーブを描く黄金色の堀川通。遠近も美しい。

中央分離帯に植えられている銀杏はおよそ70本。足元にはかつてこのあたりを流れていた堀川を彷彿させる小川が一部流れ、はらはらと落葉した銀杏が流れゆくさまも風情があります。見上げれば空を覆い尽くさんばかりの黄色!木漏れ日も気持ちよく、心身ともに活力が満ちてくるような気持ちになります。

車道に挟まれているためやや騒々しいですが、人が少ないためゆったり散策できるのも嬉しいところ。また、公園を囲む柵にはところどころ扉があり、次の中央分離帯へと自由に行き来ができますが、道を渡る際はくれぐれも車にお気をつけて。

車通りが少ない早朝がおすすめ。

ちなみに、このあたりは西陣織の歴史が学べる西陣織会館をはじめ、安倍晴明を祀る晴明神社や茶道美術を展示する茶道資料館など見どころも多く、黄葉以外にも散策に事欠かないエリアです。

関連記事:応仁の乱から555年!「西陣」の今昔 - 京都観光Naviぷらす

堀川通(今出川通~紫明通)
アクセス:市バス「堀川今出川」停下車すぐ。
料金:無料

宮中にゆかりのある黄葉の名所 岩戸落葉神社

市内の喧騒から離れた京都市北区、小野郷エリアにある岩戸落葉神社(いわとおちばじんじゃ)をご紹介します。

岩戸落葉神社は京都駅から「周山」行きのJRバスに乗って約1時間10分。神護寺や高山寺のある高雄エリアよりもさらに奥にあります。下車するバス停は「小野郷」。同社はそこからは徒歩約1分、周山街道の信号を東へ折れた山裾にひっそりと佇みます。

写真提供:岩戸落葉神社

まず、見えてくるのは朱塗りの鳥居。そして高さ数10mにも及ぶ大銀杏の迫力に目を奪われます。無数の銀杏の葉が縦横無尽にのび、まるで地面へ手を伸ばすように鳥居へ向かって降り掛かっているさまは、京都市内ではなかなかお目にかかれないダイナミックな光景。鳥居の朱と銀杏の黄のコントラストもどこか幻想的で、山あいの豊かな自然のエネルギーを湛えているようにも感じられます。

また、この銀杏は社名よろしく、散り際も美しいんです。特に境内一面が銀杏の落ち葉に覆われたさまはまるで金色の絨毯。こちらも必見です。

同社の境内には、正面奥に本殿、そしてその右に「落葉姫命(おちばひめのみこと)」をご祭神とする摂社「御霊社」が鎮座します。この摂社のご祭神は「源氏物語」の主人公・光源氏の息子・夕霧が恋した「落葉の宮」のモデルとされ、その名はこの里を閑居の地とされたことに由来するとか。

また、同社のある小野郷はもともと平安京遷都の折の木材を調達する地で、寛仁年間(10171021)には賀茂別雷神社(上賀茂神社)の神領となり、やがて天皇家の御領となって木材や炭、松明などを納めていた経緯があります。そうした意味でも宮中と非常にゆかりが深いのです。山里の静寂に包まれた岩戸落葉神社の美しい黄葉をじっくりと堪能しながら、かつての都に思いを馳せてみるのも一興かもしれませんね。ただし山あいは日暮れが早いので、特に帰りのバスの時間はあらかじめきちんと調べて、乗り遅れないようお気をつけください。

岩戸落葉神社
住所:京都市北区小野下ノ町170
アクセス:JRバス「小野郷」停から徒歩約1分。
料金:境内自由

まだまだある! 見逃せないイエロースポット 

京都府立植物園

12,000種類の草花、木々が鑑賞できる植物園です。銀杏、メタセコイヤ、イロハモミジなどを光で彩る夜間ライトアップも例年実施されます。

紅葉ライトアップ

日程:20231110日(金)~12月3日(日)日没から20(最終入園1930分)
住所:京都市左京区下鴨半木町
TEL 075-701-0141
料金:一般200円、高校生150円、中学生以下無料、70歳以上・障害者の方及びその介護者(要証明書提示)無料
アクセス:地下鉄烏丸線「北山」駅すぐ

京都御苑

明治期まで天皇のお住まいであった京都御所や京都仙洞御所などを囲む約65haの広大な国民公園。敷地内には、約5万本の樹木が生育し、四季折々の風景を楽しむことができます。中でも、「京都市・区民の誇りの木」として選ばれている凝華洞跡(ぎょうかどうあと)のイチョウは圧巻の眺めです。

住所:京都市上京区京都御苑3
TEL075-211-6348(環境省京都御苑管理事務所)
凝華洞跡までのアクセス:地下鉄烏丸線「丸太町」駅下車、徒歩約または「今出川」駅から徒歩約10
料金:無料

写真提供:環境省京都御苑管理事務所

三栖神社(みすじんじゃ)

伏見の南西部にある三栖神社は天武天皇・伊邪那岐大神・応神天皇を祀る古社。境内の大銀杏は京都市指定の保存樹です。例祭・炬火祭(たいまつまつり)は京都市の無形民俗文化財に登録されています。黄葉の見ごろは遅めで、例年12月初旬ごろです。

住所:京都市伏見区横大路下三栖城ノ前町83
アクセス:京阪電車「中書島」駅下車、徒歩約17
料金:境内自由

駐車場はありませんのでお気をつけください。

藤森神社

神功皇后や素盞嗚尊など12神を祀る古社。創建は平安遷都以前と伝わります。勝運と馬の神社として知られていますが、近年は刀剣の聖地としても人気があります。西の鳥居近くに高さ18mの大銀杏があります。

住所:京都市伏見区深草鳥居崎町609
TEL 075-641-1045
アクセス:JR「藤森」駅から徒歩約5分、京阪「墨染」駅から徒歩約7分。または市バス「藤森神社」停下車徒歩約1
料金:境内自由

写真提供:MKタクシー

 

記事を書いた人:五島 望

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東京都生まれ、京都在住のライター・企画編集者。
京都精華大学人文学部卒業後、東京の出版社に漫画編集者等で勤務。29歳で再び京都へ戻り、編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。紙媒体、Web、アプリ、SNS運用など幅広く手掛ける。

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