ウィズコロナ時代の今、京都では、さまざまな施設で安心安全にサービスを提供するための工夫がされています。そこで今回は、京都市内の劇場、レンタサイクル、公共交通機関(京都市バス)で取り組まれている徹底した感染症対策をご紹介します。
1.迫力満点のステージが大人気の小劇場「ギア-GEAR-」
三条通に専用劇場を構える舞台公演「ギア-GEAR-」。セリフを一切使わない”ノンバーバル”な演出を特徴とした公演を行っています。
パフォーマーたちによるブレイクダンスやジャグリング、光や音と連動したパントマイムなどによってストーリーが進行し、迫力満点のステージは子どもから大人まで楽しむことができると大人気です。
そんな「ギア-GEAR-」では、リスクを最小限に抑え、こんな時期でも安心してステージを楽しんでもらえるようにと万全の感染症対策が行われています。具体的に一体どんな工夫がされているのか、みていきましょう。
到着すると目に留まるのが、「検温エリア」と書かれた赤いマーク。入場前に、全来場者を対象にサーモカメラによる検温が実施されるとのこと。列に並ぶ間は、間隔をあけて配置された足跡マークの上に立つので、順番待ちの際もしっかりディスタンスを保つことができます。
もちろん来場者だけではなく、出演者やスタッフも業務開始前に必ず検温と健康状態のチェックを行うそうですよ。
検温を終えて中に進みます。ホールの入り口付近の壁を見ると「抗ウイルス・抗菌 コーティング施工済」と書かれた看板が。会場全体に、菌の繁殖を抑制する「抗菌コート」が施されているそうです!
公演の入れ替え時には毎回丁寧に座席や手すりのアルコール消毒が行われます。
会場の中に入ると、全ての座席の間に透明の飛沫防止用パネルが。座席はスペースを保ってゆったりと配置されています。客席の全面的な改装を行って、座席数を従来の約7割にまで削減し、また当面の間は収容人数を従来の半数に削減しているそうです。
また、「ギア-GEAR-」の劇場は、興行場法に基づいた京都市から認可を受けていて、保健所による換気基準もクリア。随時、劇場内の換気設備が稼働していて、公演の前後には窓や扉を開放して換気が行われます。
もちろん、出入り口やお手洗いなど、会場内のいたるところに消毒液が設置され、小まめに消毒ができます。
また、来場前に発熱したり、体調不良を感じたりした場合には、開演1時間前までに連絡すると無料で来場日を振り替えてもらうことが可能。少しでも体調に違和感がある場合は来場を控え、医療機関を受診するなどして、体調を整えてから訪れてくださいね。
ギア-GEAR-
住所:京都市中京区三条通御幸町東入弁慶石町56番地 1928ビル3F
アクセス:市バス「河原町三条」から徒歩3分
電話:0120-937-882(チケット窓口)
ホームページ:https://www.gear.ac/
2.レンタサイクルの「京都サイクリングツアープロジェクト 京都駅サイクルターミナル」
次に紹介するのは、京都でサイクリングツアーとレンタサイクルを提供する「京都サイクリングツアープロジェクト」。京都市内9ヶ所にターミナルを持ち、ガイド付きの様々なサイクリングツアーを実施しています。
三密になることが少なく、安全なイメージのあるレンタサイクルでの観光ですが、「受け取りや返却時はどうなっているのかな?」と思う人もいるかもしれません。そこで、「京都サイクリングツアープロジェクト」の京都駅サイクルターミナルの感染症対策に注目してみました。
京都駅サイクルターミナルの受付テーブルは屋外に置かれていて、なんと店員さんが外でお出迎え。こちらでは、三密を回避するため、屋外での受付が実施されているそうです。なるほど、これなら受付時の接触リスクも最小限に抑えられそうですね。
受付には、自動噴霧器タイプの消毒液が設置されています。また、QRコードや交通系カードなど、非接触式決済システムも新たに導入されたそうで、支払い時も最小限のリスクに抑えることができそうです。
さらに、受付テーブルのボールペンやクレジット端末など、手に触れるものは使うたびにすべて消毒されています。
ツアーに参加する場合には、ツアーガイドさんと長時間行動をともにすることになるので、非接触型体温計での検温も実施されます。
もちろん自転車もしっかり消毒。ブレーキ、ハンドルクリップ、変速機、サドル周り、自転車の鍵など、皮膚と接触する部分を、アルコール添加のパーツクリーナーで丁寧に消毒されています。
受付やレンタル時にもリスクを最小限に抑えた対策が行われているので、安心してサイクリングが楽しめそうですね。
京都サイクリングツアープロジェクト 京都駅サイクルターミナル
住所:京都市下京区油小路通塩小路下る東油小路町552-13
アクセス:地下鉄烏丸線「京都」駅から徒歩3分
電話:075-354-3636
ホームページ:https://www.kctp.net/
3.京都市内の移動に欠かせない存在「京都市バス」
最後は、京都観光に欠かせない「京都市バス」。80を超える路線が運行し、京都市街地を網羅している京都市バスは、観光客にとって便利なことはもちろん、地元の方の大切な移動手段でもあります。
そんな京都市バスでは,新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、2020年3月から換気や消毒などさまざまな対策が行われています。具体的にどんな工夫が施されているのか、ご紹介します。
京都市バスに乗車すると、頭上に換気扇を発見できます。この換気扇がこもりがちなイメージのある車内の空気をしっかり換気してくれます。
通常、京都市バスの車内には、2台の換気扇が設置されていますが、2021年1月から順次導入されている新車両では、中扉付近の天井にも1台換気扇が増設され、計3台の換気扇で換気されています。
新車両の中をよく見てみると、本来座席があるはずのバス前方には荷物置き場が設けられています。運転手と乗客のディスタンスを保つため、最前列の座席を荷物置き場に作り変えたそうです。運転手と乗客がお互いに安心して利用できます。
また、新車両の座席のシート生地には、抗ウイルス剤を染み込ませた、抗ウイルス効果の耐久性が高い特別な生地を採用しているそうです。
さらに、全車両のつり革・手すり・ガラス・座席シート・壁面・扉など、よく手に触れる部分全般には、抗ウイルス・抗菌加工が施されています。
みんなが安心安全に乗車できるよう、あらゆる感染症拡大防止の取り組みが行われている京都市バス。もちろん、マスクの着用や車内での会話を控えるなど、個人ができる対策もしっかり行いながら、快適に京都市バスを利用したいですね。
京都市交通局(京都市バス車両に関する問い合わせ)
電話:075-863-5153
今回は京都市内の劇場、レンタサイクル、公共交通機関(京都市バス)の3つの施設で行われている感染症対策に注目しました。換気や消毒、スタッフのマスク着用など基本的な対策から、施設内の配置換えや改装、抗菌など、それぞれにさまざまな工夫や対策が行われていました。
マスクの着用や小まめな消毒など、個人ができる対策はしっかり行いながら、みんなが安心・安全に施設を利用していきたいですね。ご自身だけではなく、大切な人の健康を守るためにも、安心・安全を常に心がけながら、計画を立てたいものですね。ぜひ参考にしてみてください。
取材・編集:JTBパブリッシング
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この記事を書いた人:るるぶ編集部
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全国各地の「見る」「食べる」「遊ぶ」を徹底的にガイドした旅行情報誌『るるぶ』の編集部です。神社仏閣やグルメ、おみやげ、話題のニュースポットなど、京都のお出かけにかかせない情報を幅広く網羅。旅行者はもちろん、地元の方にも役立つ情報を日々チェック!