京都観光を満喫し終わり、そろそろ京都駅へ向かおうか。そんな時、ふと頭によぎった「あれ、そういやお土産買ってない!?」。時計を見ると、新幹線の出発まであと1時間……。
大丈夫です、落ち着いてください。
今回は、そんな方に向けて、京都駅から徒歩15分以内の場所で買えるお土産を紹介いたします。
京都のステキをよく知る5人の方に、“焦って買った感”がなく、”ちょっとツウ”な京都のお土産を、それぞれ1点ずつ選んでいただきました。
【新幹線構内のお店】
【京都駅八条口付近のお店】
【京都駅近くのお店】
【JR京都伊勢丹内のお店】
1人目:大橋知沙さんのおすすめ 亀屋良永「御池煎餅」
最初にコメントをいただくのは、京都在住の編集者・ライターである大橋知沙さん。大橋さんは、京都の“いいとこ”を巡る本の執筆やWeb連載をされています。2010年に東京から京都へ引っ越し、現在は築約80年の古い家をリノベーションして暮らしているとのこと。そんな大橋さんが選ぶ、とっておきのお土産はなんでしょう?
大橋知沙さんのInstagram:https://www.instagram.com/chisaespresso/?hl=ja
端正な包みに心踊る、老舗の名物。
亀屋良永「御池煎餅」
亀屋良永の代表銘菓「御池煎餅」。1筒(22枚入) 1,458円(税込)。
大橋:軽やかな歯ざわりとシュワッとした口どけが上品な麩焼き煎餅。寺町御池に店を構える、天保3年(1832年)創業の和菓子店・亀屋良永の名物です。
明治末頃から同店で作られていた煎餅を、先々代の当主が改良したものだそう。
大橋:お煎餅というとポリポリ、バリッと威勢よくかじるものを想像しますが、こちらの軽くて繊細な口当たりはいかにも京都。上質なもち米を粉にして香ばしく焼き上げ、やさしい甘さにほんのり醤油が香ります。
飽きない味に、一枚、もう一枚とつい手が止まらなくなってしまう。
大橋:新幹線改札内の「京老舗の味 舞妓」というお土産屋さんで販売されているので、乗車直前でも購入できます。一つひとつ亀屋良永の包装紙でくるくると巻かれているのもうれしいポイント。
上から眺めると、円にそって丁寧につけられた折り目が美しい。
大橋:缶入りなのでバッグの中でもつぶれず、日持ちがする点でも重宝します。お渡しの際には、ラベルを版画家・棟方志功が手がけたということもぜひ伝えてみてください。
棟方志功は青森県出身の版画家。ゴッホを彷彿とさせるダイナミックな作風は「世界のムナカタ」と称され、世界的にも活躍した。
京老舗の味 舞妓
- 住所:京都市下京区東塩小路高倉町8-3/京都駅新幹線改札内
- 電話番号:075-693-5560
- 営業時間:8:00~21:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
2人目:甲斐みのりさんのおすすめ SIZUYAPAN「あんぱん」
文筆家として広く活躍されている甲斐みのりさん。以前、京都に住んでおられた経験から、ご著書には京都に関するものも多数。お土産やお菓子、老舗の包み紙をはじめ“蒐集家”としてかわいいものを集める独自の審美眼に、乙女心がくすぐられます。そんな甲斐さんが選ぶ、とっておきのお土産はなんでしょう?
甲斐みのりさんのInstagram:https://www.instagram.com/minori_loule/
和菓子のようなあんぱんいろいろ。
SIZUYAPAN「あんぱん」
「あんぱん」WAGURI 260円、ANNON IMO 250円、KUROMAME YUZU 240円、CINAMON 240円、MATCHA OGURA 250円(すべて税込)。
甲斐:日頃からパン好きの私は、その土地土地のパンをお土産にもよく選んでいます。京都駅の八条口には、昭和23年(1948年)から京都で親しまれる老舗パン屋「志津屋」があり、そこではよく自分用に軽食のパンを購入しています。
志津屋の人気商品「カルネ」。フランスパンにハムと玉ねぎ、マーガリンが挟んである。素朴ながらクセになる味。
甲斐:お土産用には、志津屋が手がけるスタンド式のあんぱん専門店「SIZUYAPAN」で、いろいろな味のあんぱんを求めるのが定番。
薄皮のデニッシュのようなパン生地に、こだわりの餡がぎっしり。
甲斐:丹波大納言、酒粕、黒豆ゆず、抹茶、シナモン、ごま、和栗、安納芋など、京都らしい素材を使ったパンが常時10種類以上揃い、渡す相手をイメージしながら好きな種類を箱詰めしてもらいます。
5個または10個で詰め合わせ可能。箱は無料なのもうれしいポイント。
甲斐:1個からでも購入できるので、ちょっとしたお土産にも便利。家紋をデザイン化したパッケージもステキです。
紋は、それぞれの味の甘さを伝える「甘紋(かもん)」という。パンの素材や産地、甘さを表現しているという。
SIZUYAPAN KYOTO STATION STORE
- 住所:京都市下京区東塩小路町8-3JR京都駅八条口/JR京都アスティロード 1F
- 電話番号:075-692-2452
- 営業時間:9:00~20:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
3人目:サラ・アイコさんのおすすめ Kurasu Kyoto「ハウスブレンド ダーク」
サラ・アイコさんは、京都在住クリエイティブ・ディレクター。幼少期をニュージーランドで過ごし、10年ほど前から京都を拠点に活動。日本と海外両方の目線をもち、ウェブサイトやSNS、ガイドツアーを通して京都の情報を発信されています。そんなサラさんが選ぶ、とっておきのお土産はなんでしょう?
サラ・アイコさんのInstagram:https://www.instagram.com/sara.aiko/
コーヒーで京都カルチャーを味わう。
Kurasu Kyoto「ハウスブレンド ダーク」
「ハウスブレンド ダーク」1袋(100g) 870円(税込)。
サラ:京都といえば抹茶でしょ? イエス、それは間違いない。でも京都は日本一コーヒーを飲む都市ともいわれています。駅の近くにある「Kurasu Kyoto」さんは京都の人に愛されているスペシャルティコーヒーのお店です。
「Kurasu Kyoto」は、JR京都駅から徒歩10分の距離にあるスペシャルティコーヒースタンド。
サラ:今回おすすめしたいのは、こちらのパッケージがシンプルでかわいいハウスブレンドのコーヒー豆。おいしいだけではなく“美”を大事にする京都のコーヒーは、デザインもステキなのでお土産にピッタリです。
白を基調とした洗練されたデザイン。右下のロゴに注目すると、ひらがなで「くらす」と描かれている。
サラ:ライトかダークのブレンドが選べるので、相手の好みに合わせて買うことができます。外出自粛中、家でおいしいコーヒーを淹れる人が増えたので、このお土産を喜ぶ友だちは多いです。
サラさんおすすめのダークのフレーバーは、濃厚なダークチョコレートのようなほろ苦さとほのかなオレンジピールの爽やかさが特徴。
サラ:わかりやすいお土産もいいけれど、京都カルチャーが味わえるお土産というのも、またおしゃれだと思いますよ。
コーヒー豆は店員の方に挽いてもらうこともできるため、家にコーヒーミルがない方も安心。より気軽に楽しみたい方には、ドリップバッグタイプもおすすめ。
Kurasu Kyoto
- 住所:京都府京都市下京区東油小路町552
- 電話番号:075-744-0804
- 営業時間:月〜金曜日8:00〜17:00、土曜日、日曜日9:00〜18:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
4人目:宮下亜紀さんのおすすめ UCHU wagashi「ochobo」
京都で生まれ育った編集者・ライターの宮下亜紀さん。京都で愛され続ける喫茶店イノダコーヒ三条店初代店長の本などを手がけておられます。京都の最新情報が発信される宮下さんのInstagramは、関西の編集者やライター仲間のあいだで「みやスタグラム」と呼ばれているとも。そんな宮下さんが選ぶ、とっておきのお土産はなんでしょう?
宮下亜紀さんのInstagram:https://www.instagram.com/miyanlife/
すーっと口溶けて、一粒でしあわせ。
UCHU wagashi「ochobo」
「ochobo」1箱(20個入)1,180円(税込)。
宮下:思わず手に取りたくなる、わくわくするデザイン。だけど、ただかわいいだけじゃない。職人さんたちが手仕事を継承しておいしさを究めている、そこが京都らしくて好きです。
「ochobo」は和三盆糖の風味と口どけを大切に作られた、ひと口サイズの落雁。
宮下:以前、寺町の本店で落雁作りのワークショップを体験して、手の加減がいかに大事か思い知りました。和三盆糖に少しずつ水を加えて練り、木型に詰めて打ち出すのですが、手の温度でたちまち変化するほどデリケート。
落雁は湿度や温度の差で、微妙に味や口どけが変わるのだそう。
宮下:すーっと口溶けるように薄く小さくデザインしているので欠けないように打ち出すのも至難の業。丁寧に、手際良く、スピーディに。職人の感覚があってこそ叶うおいしさです。
UCHU wagashiの落雁は、一つひとつ丁寧に、職人の手仕事で作られている。
宮下:シンプルなochoboは上質な甘みを楽しむのにぴったり。ひとつずつ薄紙に包まれて美しく、お茶やコーヒーにそっと添えられます。
抹茶、ほうじ茶、ジャスミン茶、プレーンの4種のフレーバー。茶葉の香りを長持ちさせるため、やわらかい和紙で包まれている。
UCHU wagashi JR京都伊勢丹店
- 住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町/JR京都伊勢丹 地下1F
- 電話番号:075-748-1541
- 営業時間:10:00〜20:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
UCHU wagashi 京都タワーサンド店
- 住所:京都府京都市下京区烏丸通七条下る東塩小路町721-1/京都タワーサンド 1F
- 電話番号:090-8129-2169
- 営業時間:9:00~21:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
5人目:大和まこさんのおすすめ 柳桜園茶舗「香悦(伊勢丹限定缶)」
最後にコメントをいただくのは、京都在住のライターである大和まこさん。雑誌『&Premium』で、京都のコラム「&Kyoto」を連載されています。“暮らすように街を歩く”という視点で、街のムードを切り取った京都案内が人気。そんな大和さんが選ぶ、とっておきのお土産はなんでしょう?
大和まこさんのInstagram:https://www.instagram.com/makoyamato/
京都好きに贈りたい限定色の缶。
柳桜園茶舗「かりがねほうじ茶 香悦(伊勢丹限定缶)」
「かりがねほうじ茶 香悦」1缶(86g)1,080円(税込)。
大和:明治8年(1875年)に創業し、御所南に店を構える老舗・柳桜園茶舗。上級煎茶の茎の部分・かりがねを使ったほうじ茶「香悦」は、上品な香りと奥行きのある味わい、そして鳥獣戯画の絵が書かれた缶もあわせて人気のアイテムです。
柳桜園茶舗は日本茶の専門店。茶の湯の家元からも贔屓にされている。
厳選したかりがねを、京都風にあっさりと焙煎した「香悦」。
大和:缶はほうじ茶の色を思わせる茶色が定番ですが、「JR京都伊勢丹」では限定カラーが用意されています。通年を通して手に入る黒と、もう1種類は季節によって異なり、春から夏は明るい緑が、秋から冬は落ち着いた赤がラインナップ。
夏の伊勢丹限定カラーは爽やかな緑。夏場は冷やして飲んでもおいしいという。
大和:定番の茶色とあわせれば4色あって、ついついコレクションしたくなってしまう缶。京都に何度も足を運んでいる人や、「柳桜園茶舗」のファンにこそ差し上げたいお土産です。
缶は密閉できるようになっているため、保存も安心。香りを長く楽しむことができる。
柳桜園茶舗 JR京都伊勢丹店
- 住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町/JR京都伊勢丹 地下1F
- 電話番号:075-352-1111
- 営業時間:10:00〜20:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
番外編:5人中、3人がカブッたおすすめのお土産とは?
コメントを下さった5名の方に、事前に紹介する商品の候補をいただいたのですが、なんと5人中、3人の方が候補にあげたお土産が……!
今回の記事では、持ち運びを考慮して冷蔵・冷凍商品を外したのですが、黙っておくにはもったいないおいしさ……! というわけで、番外編として紹介いたします。
梅園 oyatsu「みたらしバターサンド」
「みたらしバターサンド」1個 238円、1箱(5個入) 1,188円(どちらも税込)。
梅園の定番みたらし団子を、バターサンドに。サクサクのクッキーで挟まれたバタークリームの間から、みたらしの甘辛い醤油だれがとろり。
自分用のお土産として、帰りの新幹線でおひとついかがでしょう?
梅園 oyatsu JR京都伊勢丹店
- 住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町/JR京都伊勢丹 地下1F
- 電話番号:075-352-1111
- 営業時間:10:00〜20:00
- 定休日:年中無休
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間が異なる場合がございますので、事前に店舗HPまたはお電話にてご確認をいただきますようお願いいたします。
企画に協力してくださった5名の方、ありがとうございました。
ただおいしい、ただかわいいだけじゃない。
京都という土地の文化や伝統、職人の技が詰まったお土産ばかりでしたね。
さあ、新幹線まであと1時間。ステキなお土産を手に入れて、最後まで充実した京都観光にしましょう。
企画編集:光川 貴浩、長谷川 茉由(合同会社バンクトゥ)
コピー・コメント提供:大橋 知沙、甲斐 みのり、サラ・アイコ、宮下 亜紀、大和 まこ
写真提供:Kurasu Kyoto、UCHU wagashi
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取材をした人:大橋 知沙(おおはし ちさ)
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フリーランスの編集者、ライター。東京でインテリア・ライフスタイル系の編集者を経て、2010年京都に移住。築80年の古い家をリノベーションし、職人や作家のつくるモノとの暮らしを実践中。著書に『京都のいいとこ。』など。
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取材をした人:甲斐 みのり(かい みのり)
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文筆家。静岡から、大阪、京都と移り住み、現在は東京にて活動中。旅、散歩、お菓子、手みやげ、雑貨、暮らしなどを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書に『京都おでかけ帖』(祥伝社黄金文庫)など。ドラマ『名建築で昼食を』(テレビ大阪)の原案・監修も手がける。
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取材をした人:サラ・アイコ(さら あいこ)
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クリエイティブディレクター、KVH(京都市ビジターズホスト)。ニュージーランドにて幼少期を過ごした後、10年前に京都に移住。海外観光客向けのPR会社での経験を経て、2017年にトラベルブティックである『Curated Kyoto』を創設。ウェブサイトとSNS、ガイドツアーを通して京都を紹介している。
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取材をした人:宮下 亜紀(みやした あき)
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京都に暮らす、編集者、ライター。出版社にて女性誌や情報誌を編集したのち、生まれ育った京都を拠点に活動中。京都の暮らしから芽生えた書籍や雑誌の編集を手がける。共著に『はじめまして京都』など。編集と対談執筆を担当した、料理家・文筆家の高山なおみ著「本と体」(アノニマ・スタジオ)が9月中旬発売予定。
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取材をした人:大和 まこ(やまと まこ)
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京都在住のライター、コーディネーター。雑誌『&Premium』で「&Kyoto」を連載中。「京都さんぽ部」部長として、友人を案内したい街歩きスポットを紹介している。そのほか、各誌の京都特集での執筆や、撮影のコーディネートなどで活躍中。